反対運動の本質って

 

 

 

 

昨日は小平の件について私見を述べたが

 

 

 

過去に仕事で住民の反対運動に

私生活も含めてボロボロにされた事や

逆に行政相手に喧嘩をした事もあるので

その経験をもとに住民による反対運動について考えてみる

 

 

 

まず、

反対運動ってどんな時にあるのって点だが

一番多いのはマンション建設とか再開発だろう

 

これを大別すると

①民間デヴェロッパーによるマンション建設に対する近隣住民の反対

 ※日影や見下ろしといった原因が多い

②行政も絡んだ再開発事業

 ※立退きや営業補償、道路計画などの原因が多い

③大規模商業施設建設に対する近隣住民や既存商店街などの反対

 ※既得商権や交通量の増加、治安の悪化などを原因とする事が多い

④都市計画道路に対する反対

 ※交通量の増加や騒音、立退などの反対理由が多い

 

こんな所がよくある反対運動の原因かと思う

 

①については、

事業者が民間事業者なので住民はとっても強く出るが

日影にしても適法な範囲で計画しているし

見下ろし等は対策可能なので、丁寧に説明を続ければ

住民も理解するし、基本的には話し合いで解決すると考えていい。

民間大手だと専門の近隣対策屋を雇っていたりするので

相手を怒らせるような下手は打たないしトラブルを起こす事も少ない。

たまに新聞に載ってしまうような反対運動に展開する事もあるが、

それは共産党なり社会活動家なりが介入してきた場合だったり

するのでこれは別問題として後に記述する。

 

②については、

世間でいう再開発ってのは大きく2つあって

都市再開発法に基づく再開発事業と

民間が任意で行う比較的デカくて建て直しを

含むものを再開発と称する場合がある

ここで話す再開発は法定再開発のほうだが

これは自治体・再開発組合・再開発会社・都市機構・個人のうち

いずれかが施行者となるが

 

 

 

※法定再開発について全部説明すると本になっちゃうので知りたい人は自分で本買って勉強して下さい

 

 

 

多くの再開発事業は自治体が主導して

事業主体となってくれるデヴェロッパーを選定するのだが

※それと前後して都市計画決定というのを行う

その前段階で事業範囲の権利関係者調整を行うのだが

反対運動はこの段階で発生する事が多い

再開発する場所って駅前とかが多いので

昔っからここで商売してますとかパチンコ屋とか

古〜い市営住宅とかが施行区域内にある事が多く

やれ営業補償とか居住権とかに始まり反対運動の火種満載って感じで

事務局が対応やってる間に相続とか発生したりどんどん話が複雑になり

さらに違うエリアの商店街が再開発反対を唱え始めたりして

うん十年がかりの再開発なんてザラにある。

※再開発コンサルの実際の業務の大半はこれです

 

③については、

平成10年のまち3法で旧大店法がなくなる前は

商調協とかやたら面倒臭くて大規模店舗の出店ハードルが高かったのだが

これ以降、イオンタウンに代表される大規模小売店舗の出店が多く

しかも以前は畑の真ん中みたいな所に出店していたのが

近年は市街地に出店するケースも増えて、反対運動も

比例して増加しているように思う

このケースの反対意見は交通量の増加や騒音などが多いが

なんせ民間事業者が民間所有地で許認可を取得してやることなので

反対運動で計画が頓挫したとか開業が遅れたという話を聞いた事が無い

※必ずと言っていいほど反対運動は起こるようだ

 

 

④については、

今回の小平の件は雑木林がイシューとなっていたが

都市計画道路への反対運動は、交通量増加に伴う騒音や

個別の立退拒否が多くの原因だったと認識している。

この場合事業者は国・都道府県・市町村なので

所謂役人が対応するのだが

なんせ役人なんで移動や昇進があり担当者がコロコロ変わる

これじゃ信頼関係なんて築きようがないし再開発もそうだが

そうこうしているうちに相続が発生したりしてどんどんややこしくなる

しかも議会が絡むので必ず共産党などが介入してきたりして

これもなかなか進まない事業の典型だろう

 

大まかに4つの類型を簡単に説明したが

イシューは個人的なものと公共的?なものの2つに括る事ができる。

 

個人的なものについては

コニュニケーションさえ取れれば

現実的な解決方法を双方で模索する事が可能で

お互いが所謂100:0みたいな事さえ主張しなければ解決する

仮に事業者が行政で担当者がアホだった場合でも

役人なんて手段さえ考えればいくらでも落とせる

※事が大きくなる前にって前提だが

 

公共的?なものについては、

これが問題で、自然を残そうとか町並みを残そうとかという主張の場合

多くは個人的な事情を含まない綺麗な話になってしまっているので

反対運動の面々は誰も「もう諦めましょう」なんて言えなくなってしまう。

しかも施行区域の住民だけでなく社会活動家だったり共産党だったり

色んな立場の人が係ってくるので当然に本来のイシュー以外に係った人達の

都合によるイシュー、例えば民主主義を守るとか何とか大それた

サブテーマが設定されてしまい100:0の結論が出るまでだれも後に引けなくなる。

 

以上反対運動について簡単に分解してみたが

個人的意見としては時間と税金の無駄使いは止めようよって思う。

ツイッターで「時間をかけた合意形成が民主主義を守るんだ」

という主旨のご意見を頂いたりもしたが

個別事案に対して運動を起こして多くの人の時間と手間を浪費するヒマがあれば

もっとちゃんと行政・議会チェックするなり何なりする事のほうが

根本からの問題解決となるような気がしてならない。

無論、民主国家に暮している我々には

個別事案に反対する権利もあるワケだが・・・

 

ついでに、

過去の反対運動のその後を見ると

反対運動によって塩漬けとなった計画もあれば

双方譲歩して計画変更のうえ施行した事業

原案通り施行された事業と色々だが

個人的体験として

反対運動の中心的な役割を担った人物から

「やっぱり原案に反対しなければよかった」的な事を言われたり

最近近所に出来たショッピングセンターで反対運動やってた人が

家族で楽しそうに買い物している所を発見したり

この人達にとって反対運動起こした事は、

一時の連帯感を伴う良き思い出なんだろうなと感じる事があった。

 

ではこのへんで